ベーシックでありふれたマンションの一部屋が、がらりとイメージチェンジするリノベーション。マンションの部屋は、木造住宅よりも構造的に縛られることが少ないためより自由なプランが可能です。素材がどう変化するのか、住まい手の個性をめいっぱい引き出すことができるリノベーションは魅力ある暮らしを生み出します。今回ご紹介するのはnuリノベーションが手がけたマンションのリノベーション。シンプルさの中に引き算の美しさが際立つミニマルな部屋が生まれたリノベーションです。
がらんとした空間に間仕切り代わりの引き戸がある、寂しい部屋でした。シンプルな白い内装に、濃いめのブラウンのツヤのあるフローリングはミスマッチでもあります。
間仕切りや扉が取り払われ、全体は境界のないひとつながりの空間に。白が基調の内装のカラーはそのままですが、温かみのあるアイボリー系の白のため、冷たい印象にはなりません。ホワイト系のフローリングは木目が生きる自然な姿が優しい雰囲気を持ちます。全体が明るい印象になり、ぐっと広がりを感じるようになりました。
全体がひとつながりになったことで、窓からの光は奥まで届くようになりました。跳ね返すような眩しさではなく、包み込むようなふんわりとした光は時間の流れをゆっくりと感じさせてくれるようです。部屋の区画として仕切られた壁は低くすることで空間を分断することがなく、お互いに程よい距離感が生まれながらも広がりは損なわずに自然な存在感として馴染みます。
ウッドの自然な風合いが映えるキッチンは、天板がカウンターにもなるミニマルなペニンシュラ型です。天板の水平ラインが持つすっきりとした美しさが際立つ、この家のためのオリジナル。キッチンの下部には収納があるものが大多数ですが、この家では洗濯機を格納し、扉のないオープンな空間を設け使い勝手もスムーズです。ヨーロッパの住宅ではキッチンに洗濯機があるのは一般的です。一連の流れで家事もしやすく、キッチンと一体になるため空間が有効的に使えるのも魅力です。
玄関は広めに土間を取り、使い方に広がりが出るようになっています。室内と半室外と両方の使い方ができる土間は、モルタルの質感もこの家にぴったりとなじみます。玄関はつい物が溢れてしまう場所のひとつでもありますが、シンプルに木のオープンな棚のみにすると、まるでショップのような雰囲気にもなり、扉の開け閉めがない分使い勝手もスムーズです。ぱっと見て把握しやすいことや、ファッションがそのままインテリアの一部としても活躍します。こうして住まい手の個性を引き出すリノベーションは、建築家と住まい手が二人三脚で生み出す新しい家の選択です。
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