大きなテラスで南側の日照問題を解消!

Michiko JUTO Michiko JUTO
K-HOUSE, 株式会社長野聖二建築設計處 株式会社長野聖二建築設計處 Balcon, Veranda & Terrasse modernes
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地方都市の郊外に建つこの住宅は立て替え前は南側の日照問題を抱えていました。4m道路を挟んだ向かい側は高い擁壁の上に3階建てのアパートが林立しているので、冬季は全く日照届かない状態でした。そんな問題を解決すべくテラスをうまく利用した明るい住宅を長野聖二・人間建築探険處が手がけました。さっそく詳しく見ていきましょう。

南側は上階にテラス下階に駐車スペースで有効な空間利用

周囲は比較的開けた住宅街です。アパートが建ち並んでいる南側には 広めのテラスと庭を計画し、建物はセットバックした配置としました。敷地を打ち放しコンクリートの壁で囲みテラス部分は一部サビを生かしたスチール製の手摺で仕上げています。来客が多いため3台分の駐車スペースがテラス下に設けられています。

植栽が生活空間を豊かにしてくれる

駐車スペースを通ると地上階の庭へと続きます。コンクリートで囲まれたハードな印象を与えがちな住宅地内を豊かな植栽で彩っています。

外部空間を賢く計画 – 庭を通って玄関へ

比較的高い塀で囲まれているのでプライバシーも確保できた心地よい庭です。実はこれは玄関アプローチでもあるのです。スチール製の階段を上がると上階のテラスに続き、異なる空間に回遊性をもたせています。

大きなテラスで過ごす時間

テラスにはかなりの人数を収容できるベンチとテーブルを置いています。スチール製のメンテナンスフリーなアウトドアファニチャーは気軽に外空間を楽しむためには大事なアイテムですね。水道も設置したテラスではバーベキューやパーティーも催せそうです。予期しない出来事や経験が空間を形成していくような余白を大事にした作り込みすぎない設計と言えるでしょう。

内外を交差する動線計画

テラスから建物の中へ入ってみましょう。数段下りたところがリビングスペースです。天井を高く確保し、非常に開放的かつシンプルなデザインです。上階への階段は軽やかなスチールと木張りで構成されています。

ざっくりとした配置計画がもたらす開放的な住空間

リビングに玄関を直接設けています。ちょっとした土間空間と靴箱だけのミニマルなデザインです。

建築素材とプロポーションが醸し出す体育館のような室内空間

テラスからの階段のイレギュラーな形態が空間に変化をもたらしています。天井には天窓が設けられ昼間の照明は不要となった室内です。

ワンルーム型のLDKは家族のコミュニケーションを濃厚にしてくれる

リビングダイニングキッチンがワンルームに収まった設計が家族を1つの空間に集めます。高い天井による開放性を南側に確保した大きな開口で明るい家族のコミュニケーションの場が生まれました。天井から下げたシーリングライトが垂直方向への広がりを強調しインダストリアルな雰囲気をもったLDKです。

アンティーク家具が似合うインダストリアルな空間

施主はかなりの数のアンティーク家具を所有しており、それらの暖かみのある調度品が本来構造部材である木毛板張りの内装を背景に引き立ちます。室内から異なる開口を通して庭やテラスの風景が楽しめます。

生活感のあるキッチンの良さ

キッチンは引き戸によって仕切ることもできますが、普段は全開にして奥行きのある空間を作っています。開けっ放しのほうが使い勝手がいいですよね。さりげなくアンティークの家具で空間にアクセントをつけています。生活感のないのもクールで魅力的ですが適度にモノを見せたインテリアはやはりほっとしますよね。

個室は最小限に抑えることで家族の関係は親密に

上階には最小限の個室を配置しました。ここは共有のスタディコーナーでしょうか。リビングやダイニングに向って開口をつけ、コミュニケーションと連続性を確保したデザインになっています。アンティークの味のある机や椅子が同系色のフローリングと相性良く馴染み、シンプルですがこの上ない時間の流れを汲んだ空間を演出しています。

変化に富んだ空間構成が演出してくれる機能性と娯楽性

高低によって構成される特徴あるそれぞれの空間が空気が流れるように繋がり、多様性に富んだライフスタイルを可能にします。最大の悩みであった南側の日照問題をテラスや庭といった外部の装置によって解消し、かつそれらを最大限に日常生活に取り入れた賢いプランに則った住宅です。

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