軒天にもこだわって居心地のいい軒下空間に!軒裏について知っておきたい6つのこと

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
ADASINO NO IE, 古津真一 建築設計事務所 古津真一 建築設計事務所 Maisons modernes
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軒天について、日常の中で目には入っても、それについて考えることは少ないと思います。軒下にある縁側にはよく意識がいきますが、今回はその上にある軒天について是非知っておきたいことを紹介していきたいと思います。軒裏は屋外からも室内からも目に入るので、外観やインテリアの印象にも影響してくる部分でもあります。軒裏にもこだわってみて、軒下空間をより居心地のいい場所にしていきましょう!

軒天とは

軒天とは、屋根が外壁から張り出している軒部分の裏側を指します。「軒裏」、「軒天井」といった呼ばれ方もされます。勾配の屋根に沿って軒天材が張られることもあれば、屋根の勾配とは関係なく、水平に張られることもあります。こちらのALTS DESIGN OFFICEが手掛けた住まいのように、軒裏は縁側だけでなく、屋外や室内からも見えることになるので、そのデザインは縁側のみならず、その周囲の居心地や風景にも影響するとても重要な部分となります。

軒裏をすっきりとした印象に

軒裏に軒天材を張ることの意味は、軒裏をすっきりとした印象にすることがその1つとして挙げられます。軒裏に何も張らない状態だと、屋根を構成する垂木などが丸見えになります。もちろん、軒天材をあえて省略してそのまま軒裏を見せることもできますが、こちらのように和モダンな雰囲気作りには、軒裏天井は欠かせない要素の1つとなるでしょう。

防火対策

軒は家の中でも最も隣家に近づく部分であることから、万が一隣の家で火災が発生した場合、軒から火が自宅に燃え移ってしまう可能性もあります。そうしたことから、地域によっては軒裏に基準を満たす防火・耐火性能が求められます。そうした点にも注意を払って、安全かつ安心できる住まいとしていきましょう。

写真:岡田大次郎

軒天の定期的な点検

軒裏は屋根の下にあることから、通常雨に濡れることはありません。しかし、経年劣化などで不具合が生じて、台風や豪雨の際に軒天井から外壁へ、さらには室内へ雨水が侵入してしまう可能性もあります。そうした雨漏れを放置しておくと、家の大きな部分を損なうことにつながりますので、定期的に点検を行って不具合を早期に発見し補修していきましょう。また、軒の長さが短いと、そうした室内への雨漏れの可能性も高まりますので、軒の深いデザインを取り入れることも1つの対策となります。

写真:新澤一平

室内とのつながりを生む軒天

軒天をインテリアの床や天井と同様に考えることで、軒下空間と室内との間に強いつながりを生みだすこともできます。こちらのように、室内の天井と縁側の軒天のデザインを同様にしながら、同時に2つの空間の床材にも連続性をだすことで、室内にいても屋外空間にいるような開放感、また縁側空間にいながら室内でくつろいでいるような居心地の良さを味わうことができます。こちらではさらに、縁側空間を深い軒でつくり出すことで、内部空間に「開放性」とともに「包まれ感」も生み出しています。

軒裏天井を張らない

先にも述べたように、軒裏に軒天井を張らず、垂木をそのまま見せることもあります。古民家などの古くからある日本の住宅ではそれが一般的でした。そうした伝統的な住宅では、縁側空間もよく見られることから、垂木を見せるにしても化粧垂木や化粧野地板といったこだわりの素材を用いることで、縁側を風情ある場所にデザインしてきました。是非、軒下空間と合わせて軒天も考えてみて下さい。縁側については、「縁側とは?その魅力とタイプ別デザイン集」も参考にしてみて下さい。

【軒については、こちらの記事でも紹介しています】

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