ユニバーサルデザインで誰もが住みやすい家に!そのデザインの特徴とバリアフリーとの違い

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
施工例写真, フォンテトレーディング株式会社 フォンテトレーディング株式会社 Salle de bain moderne
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ユニバーサルデザイン住宅という言葉を近年耳にします。年齢や身体的な違いを超えて家族の誰もが住み易くデザインする大切な考え方です。今回は、ユニバーサルデザインやバリアフリーデザインの例を紹介していきながら、バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを一緒に紹介していきます。

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは?

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いとは何でしょう?ユニバーサルデザイン住宅とは、全ての人にとって使いやすいデザインのことを指します。その全ての人とは、男女はもちろん、年齢や国籍や体力といった、その言葉の通り、あらゆる人にとって快適な住宅を意味します。それは障害者にとって障害(バリア)となる部分を取り除いていくバリアフリーデザインの例と異なります。ユニバーサルデザイン住宅においては、子供から大人までの家族みんなにとって住み易い空間づくりと、何十年という時間の変化も考慮していくことが大切とされています。

写真:fontetrading


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誰もが出入りしやすい玄関

ユニバーサルデザイン住宅の例を見てみましょう。まずは、家族みんなが毎日のように出入りをする玄関のバリアフリーの例から。どの家にも玄関扉までのアプローチには数段の段差があります。その段差を滑らかなスロープにするだけで、車椅子はもちろん、ベビーカーや自転車を使う人にとっても、無理をすることなく楽に家の中に入っていくことができます。また、こちらの住まいのように、スロープに沿って手すりを設けることも効果的です。

写真:河田弘樹


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安全で緩やかな階段

バリアフリーやユニバーサルデザイン住宅の中で考慮されるのが、家の中でも最も危険な部分とされる階段です。日本住宅では階段の勾配を大きくすることで、階段スペースを出来るだけ小さくしながらリビングなど他の部屋を大きくしがちですが、ユニバーサルデザイン住宅では、安全性や家族のみんなにとって出来るだけ負担の少ない階段にするため、勾配を緩やかにすることが重要となります。手すりや踊り場を設けることでより安全で上り下りしやすい階段をつくり、さらに足元に照明を設けて家庭内での転倒事故を防ぎます。


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広々とした余裕のあるトイレ

トイレは通常であれば大人一人が中に入れるぐらいのコンパクトなスペースとなりますが、ユニバーサルデザイン住宅では車椅子はもちろん、小さな子どものトイレの補助などのために、トイレは広々とした余裕のあるスペースが必要となります。バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは、ここではあまり見られず、便座へ座ったり立ち上がったりする際のための手すりや、ヒートショックを防ぐ暖房設備、階段を上り下りする必要のない寝室のすぐ近くにトイレを配置したり、余計な段差をなくす工夫が配慮されます。


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

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浴室のユニバーサルデザイン

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いはありますが、皆が使う浴室はその両方を考慮しておくと安心です。床が濡れていて滑りやすく、段差のある浴槽をまたがなければならないお風呂は、大人でも危険な場所となり得ます。一日の疲れを安心して楽に洗い流せるように、浴室にもバリアフリーデザインの例を一緒に取り入れておきましょう。まず、浴室の床材は水で濡れていても滑りにくい素材を用いましょう。さらに、子どもや高齢者にとって湯船の出入りが楽になるように、手すりを各所に設置することも大きな助けとなります。

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを超えて

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを超えて、その両方を上手く取り入れた住宅を見てみましょう。こちらは、老後の居住性を考えた平屋住宅。ゆとりをもってつくられた120センチ幅の廊下は車椅子だけでなく、若い元気な家族でも収納や絵を飾るゆとりあるスペースとなり、楽しく快適に生活出来ます。本来のバリアフリー住宅は、子供から高齢者まで誰もが気持ち良く暮らせるデザインです。

撮影:佐々木育弥 / クレジット: HOUSE&HOUSE

自分らしい生活が出来る ー バリアフリーの例

車椅子で生活されている施主の「車椅子でもオシャレで自分らしい生活ができるデザインの美しい家に住みたい。」という言葉からつくられた平屋の完全バリアフリーデザインの住宅例を見てみましょう。車庫からスロープ、玄関まで屋根を延長し、内部にはインナーテラスが設けられています。キッチン、洗面、浴室、トイレは全て使用者に合わせてオーダーで製作されています。タイル仕上げ、内部は全て引き戸で構成しハンドルの高さも通常よりも低い高さです。

家族みんなにとって住みやすい住まいに

ユニバーサルデザイン住宅には、あらゆる居住部分に配慮が見られます。扉の開け方もその1つで、こちらの住まいでは、縦格子の引戸が音を乱反射させて、リビングにシアタールームのような音響環境を生み出すとともに、車椅子や小さな子どもでも開けやすい引戸の扉となっています。他にも、電気スイッチの高さであったり、照明の明るさ、キッチン台の高さや玄関の段差など、家のあらゆる部分に配慮する必要があります。是非建築家とよく話し合いながら、家族みんなにとって住みやすい住まいとしていきましょう!

ユニバーサルデザイン住宅の例1:『いかに楽しく、前向きに介護できるか』をコンセプトに

ユニバーサルデザイン住宅の例を見てみましょう。こちらは近い将来介護が必要になることを見据え、「いかに楽しく、前向きに介護できるか」をコンセプトに建てられた住まい。大きく開放的なリビングやダイニングは、自然素材中心に体や環境にも優しく、また自然素材の風合いを活かし安らげる住空間をつくります。

ユニバーサルデザイン住宅の例2:『いかに楽しく、前向きに介護できるか』をコンセプトに

さらに先ほどのユニバーサルデザイン住宅の例で、80代のお母さんのお部屋を見てみましょう。寝室とトイレが近い間取りによって、介護の利便さだけでなく、冬場のヒートショックや家庭内事故を予防し易い配慮が見えます。また介護者ひとりでも楽に移動させられる天井走行用リフトも設置されています。先ほどのリビング・ダイニング同様に自然素材の風合いが優しいインテリアで統一されており、機能面や利便性ばかりにとらわれないユニバーサルデザインが心がけられていますね。

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