大阪の建築家によるコンバージョンで生まれ変わった店舗付き住宅

K.Yokoyama K.Yokoyama
うどん おおくぼ(事務所ビルコンバージョン), 株式会社 藤本高志建築設計事務所 株式会社 藤本高志建築設計事務所
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今回ご紹介するのは、もともと事務所ビルだった建物を店舗と住宅に生まれ変わらせたコンバージョンのプロジェクトです。既存の建物を出来るだけ生かし、用途を変更して叶ったお店付きの住宅。1階にあるうどん屋の店内はクールでモダンなインテリアとなっていて、スタイリッシュな雰囲気に仕上がっています。お店だけでなくアトリエや事務所など、仕事スペースと住宅が一体化した住まい作りを考えている方には、何か参考となるアイデアが見つかるかもしれません。このプロジェクトを手掛けたのは、大阪を拠点に活動している株式会社 藤本高志建築設計事務所です。一体どんな様子になっているのでしょうか?さっそく詳しく見て行きましょう!

写真:冨田英次

コンバージョンで生まれ変わった4階建てビル

ロケーションは大阪市の住宅街。もともと学習塾として利用されていた鉄骨4階建てのこのビルを、今回は店舗付き住宅に用途変更し、手を加えて生まれ変わらせたプロジェクトとなっています。このように既存の建物を生かしながらリノベーションし、新たな価値や目的で再利用することを「コンバージョン」と言い、建築コストが抑えられるだけでなく、壊さずにできるだけ生かしながら建てるという環境に配慮した建築の考え方で近年注目を集めています。こちらは建物の外観ですが、間口の狭い敷地で両サイドの隣家と密接し、上に延びるように建っているのが印象的。1階はうどん屋の店舗、2階は事務所と寝室、3階はLDK、4階は水廻りスペースと寝室という構成となっていて、上手にお店と事務所、そして住宅が一体化した建物が見事に実現しています。

コンバージョンのメリット

店舗用の物件を探す際は、周辺環境や地域の状況を良くリサーチすることが何よりも大切です。この敷地は、学生などが立ち寄りやすく、マンションなど集合住宅も多い地域にあり、お店をやるにはとても恵まれていました。またクライアントさんは子育て世帯でもあるために、ご家族で住む環境としても最適だったそうです。新築でなくても、既存の建物を再利用するコンバージョンという方法によって、お店と生活スペースが一体となった住まいを実現することが出来ました。ゼロから建てるよりもコストを抑えられるのがコンバージョンのメリット。その分お店の内装などに費用を充てられるのも大きいですね。

【コンバージョンについては、こちらの記事でも紹介しています】

※​コンバージョンで住まいをより自由なかたちに!その意味と知っておきたい5つのこと

スタイリッシュな店内

こちらは1階のうどん屋の店内。コンクリートのグレーを基調としたクールでシンプルなインテリア。キッチンの天井やカウンターなど部分的に木を取り入れ、スタイリッシュな雰囲気の中にナチュラルで優しい印象をプラスしています。キッチンに面した広いカウンター席は、お客さんとの距離が近くなり、常連さんとの会話も楽しめそうなアットホームさが感じられます。

お洒落な空間で楽しむ食事

こちらはテーブル席からの店内の眺め。キッチンの背面の壁には漆和紙を張ったり間接照明を使ったりと、高級感のある演出でギャラリー空間のような雰囲気。殺風景な壁ではなく、カウンター席に座ったお客さんの目を楽しませる工夫も感じられます。一方テーブル席では、スタイリッシュなインテリアの空間の中、落ち着いて食事が出来るようになっています。

▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のダイニングを紹介しています。◀

ダイニングの写真ページ

目でも楽しめる店内

こちらはお店の入り口を入ってすぐの所にある製麺室。ガラス張りの廊下によって、中の様子が見えるようになっているのがポイントです。どうやってお店の料理が作られているのかを可視化することによって、食事を楽しむ前のお客さんの気分を盛り上げてくれそうですね。また、外の通りを歩いている人の興味も引き付けやすく、細かい部分にもきちんと気を配ったお店のこだわりが感じられます。

藤本高志建築設計事務所が手がけた建物はこちらでも紹介しています ◀

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